2005年04月02日
ウインウインな関係
今日はN氏からPC9800シリーズ用(その昔、日本国内を風靡したNECの独自規格PC)のMS-DOS6.2を提供して貰ったので"T-98Next"を使ってWindowsの中で仮想的にPC9821を動かし、その中でWindows3.1を動かそうと試みた。今現在、ゼラ家にPC9800シリーズ用の1.2MBのFDを製造できる機体は富士通の"30-LX701"というワープロしかなく、当然ワープロなのでシステム起動用のFDが作れるはずもなく手当たり次第システム起動できる形式でフォーマット(/Sオプションフォーマット)されたPC98xx時代のFDを探した。これが片っ端からFD自体がぶっ壊れていて(何で壊れてんだろ?)中々見つからず、途方にくれていた中さり気なく出てきたMS-DOS6.2の起動用FD。これ…おそらく中学の頃に通ってた塾にあったPC9821で何かに使うために勝手にフォーマットした物だと思われる(笑)生憎そのFDにはCOMMAND.COMとMSDOS.SYSとIO.SYSの最低限のファイルしか入っていなくてT-98Nextの仮想HDDをフォーマットする事ができない。なので、N氏から提供してもらったMS-DOS6.2のセットアッププログラムの中からFORMAT.EXE等の必要最低限のファイルをMS-DOS6.2の起動用FDにコピーしてT-98NextでT-98Next用の仮想FDファイルを作った。そしてT-98Next上の第1FDDにその仮想FDをセットして起動ボタンをクリック。エミュレーションウインドウが立ち上がってピコッ!っと音がなって"NEC PC-9800 シリーズ パーソナル コンピュータ"の文字が表示されて日付を入力してください画面が表示される。懐かしい…日付を入力した後は時間を入力するんだよ(笑)日時を入力して無事にシステムが立ち上がり、FORMAT.EXEを実行してHDDを初期化して領域を開放する。これでWindows3.1をインストールできる状態になった。早速Windows3.1をインストール!!これで懐かしのWindows3.1と約10年ぶりの再会だと思ったのだが…DISK3のファイルがぶっ壊れててインストールできなかった(苦笑)こうなってしまうとPC9800シリーズのWindows3.1はお手上げだが、まだ諦めたわけではない。どっかのジャンク屋で100yenで買ったAT機用(現在主流のPC規格)の英語版Windows3.11がある。これを"VMWare"や"Virtual PC"等のエミュレーションソフトウェアを利用してWindowsの中で実行すればいいわけだが…どちらも気軽に購入できる値段ではないので、今回はVMWareやVirtual PCに比べれば完成度も性能も低いがフリーの"QEMU"というエミュレーションソフトを使う事にした。このQEMUはフリーウェアながらLinuxやFreeBSDやMac OS X等のUNIXベースのOSとWindows上でx86とPowerPCシステムをエミュレーションする。HDDやFDやCD-ROMはもちろん、NE2000互換のネットワークカード、サウンドブラスター互換のサウンドボード、Cirrus Logic社GD5446互換のビデオボードまでソフト上で再現する優れものだ。少し前まではWindows上で使うには自分でソースからコンパイルする必要があったが、現在はアルファバージョンだけどWindowsバイナリが公開されていて誰でも簡単に?(MS-DOSの使い方を知ってれば)導入することができる。早速DLしてインストールし、マニュアルに従って準備して仮想FDDにAT機用のMS-DOS6.0の起動FDをセットし、QEMUを立ち上げてみる。このQEMUもT-98Next同様実際のドライブは使えず、ファイル化したディスクイイメージを仮想的に再現する。よってQEMU上ではFDだけど実際はHDDから読み込んでいるので異様に速い(笑)無事にMS-DOS6.0システムが立ち上がった。FDISKコマンドで仮想HDDの領域を開放してFOMATコマンドでフォーマットしてWindows3.11の導入準備完了!!仮想CD-ROMドライブ内のWindows3.11のセットアッププログラムを実行してインストールが始まる。今度はCD-ROMなのでファイルがぶっ壊れてるはずもなく無事にインストール完了!英語版だけど念願のWindows3.11システムが立ち上がった。今見るとWindows3系なんて何これ?って程度の物だけど、ちゃんとお馴染みのマインスイーパーやソリティア君がプリインストールされててWindows3.1版のIE3をインストールすればインターネットだってできます(笑)最後にAUTOEXEC.BATファイルにWIN.COMの一文を追加してハイ!できあがり♪こんなにサックリ動いてしまう物なのかと少々感動。中々面白いので、Windows3.1環境ができたら続いてWindows95環境の構築。インストールは問題なく完了し、音も出るしプリインストールのIE3でネットサーフィンできて一見問題ないように思えるのだが、何故かモニターの表示解像度をSVGA(800×600)や256色表示にするとエラーになる。先進的なマルチメディアを歌ったWindows95でVGA(640×480)な16色表示は使い物にならない。しかもHDDのDMA転送もサポートされてないし…色々と改善策は無い物かと調べてみると、ビデオ関係のバグはどうもWindowsバイナリに問題があるらしく、HDDのDMA転送についてはソースからのコンパイルの時にパッチを当てなければならないあしい。つまり、快適にWindows95をエミュレーションしたけりゃソースからコンパイルしてくださいと言うことらしい。だからCygwinでDMA転送パッチを当ててコンパイルし、再び動かしてみた。するとDMA転送の設定項目が出現して気持ち動作速度も上がり、SVGAな16bit表示もできるようになって実用的な環境になった。その後、Windows98もインストールしてみてWindowsの進化の過程を楽しんだのだった。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
PC9800シリーズ起動画面 | Windows3.11 | Windows95+IE3.0 | Windows98+IE4.0 |
↑画像をクリックすると実寸表示できます。
投稿者 zeratinman : 2005年04月02日 00:00