2005年10月30日
2台目のMD修理記
今日は先日友人SHIから譲り受けた、壊れたポータブルMDプレーヤーの修理に挑んでみた。メーカーはMDの生みの親で最近落ちぶれた"SONY"製で、"MZ-E900"という機種。圧縮率を高めて(音質を落として)長時間録音を可能にするMDLPという規格が出来た頃(2000年)のもので、MDの普及に精力的だった当時のSONYらしく、戦陣をきってMDLPに再生に対応してきた製品である。そんな MZ-E900 がどんな風に壊れてるかと言うと…ディスクを入れてもカチカチ言って全くディスクを読み込まないのだ。光学ドライブを直すとき、まず始めにする事はレンズクリーニングなのだが…専用のクリーナーも読み込まないし(マスター用の光ディスクも読み込まないとなると結構重症)、フタも大きく開かない構造なので、とりあえずフタを分離。麺棒にクリーニング溶液をつけてレンズを磨いてみたものの、状況は何も変わらない。ディスク検知スイッチを手で押さえ、ディスクが本体に入ったものとしてメカの駆動を観察すると…読み込みレンズ自体は上下して読もうとしているものの、ピックアップユニットがTOC記録エリア(ディスクの情報が記録されている)に移動しないし、そもそもレーザが出ていない。これじゃ~どんな頑張ったって読めるはずがない(笑)どうやら直りそうにもないけど、一応ピックアップユニットを取り外して基盤に問題が無いか確かめてみようと思ったら…基板とピックアップユニットを繋ぐフラットケーブルが抜けかかっているのを発見!この抜けかかっているフラットケーブルを正しく繋ぎ直してみると…一切受け付けなかったディスクは何事も無かったかのように読み込まれ、再生ボタンで演奏開始。おぉ!直った!と思ったのだが、結構頻繁に音飛びしてレーザの出力が弱くなってるようだ。大抵の光学ドライブにはレーザーの出力レベルを調整するネジが付いて、MZ-E900も例外ではなく、それらしき調整ネジ(本当かどうかは不明)を発見。あまり出力を強くし過ぎるとディスクが壊れちゃうので、ほんの気持ち程度右に回して再度読み込みテスト。まだ少々音飛びするもののだいぶ良くなった。再びレーザの出力レベルを気持ち上げて~はい!お終い。"KENWOODのDMC-M33"に続き、2台目のポータブルMDの生還となった。"1リットルの涙"で麻生遥斗に「まだMDなんか使ってんの~私"iPod"買っちゃった」と言ってたお姉さんがいたけど、iPodの何処がいいんだ?HDDもフラッシュメモリも消耗品。20年経ってデータが残ってるのは確実にMDの方。今のHDDやフラッシュメモリを用いた携帯オーディオはその場凌ぎに過ぎない。私は、先日"SunDisk"に買収された"Matrix Semiconductor"という企業が有する、3Dメモリ技術を用いたSD等のフラッシュメモリカードに音楽を保存するのが、21世紀の音楽保存のあり方であると考えている。それまでCD-Rや"Hi-MD"で頑張るのが吉…なはず。
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フタを開けた所 | 抜けそうなフラットケーブル | レーザ出力調整ネジ | テスト中 |
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どうでもイイ事なんだけど…この機体、仕様では音飛びガードメモリが40秒(SPモード)なんだけど、実際は50秒メモリしてるみたい。
投稿者 zeratinman : 2005年10月30日 22:08