2007年12月20日

3D立体革命を根性で見てみる

今月の初めに開局した"BS11デジタル".まだまだ開局したてとあってお世辞にもコンテンツが充実しているとはいえないものの,とても怪しく好奇心をそそる"3D立体革命"という番組が毎日のように放送されている.なんでも…テレビの世界はアナログからディジタルになり,次は3D立体放送になろうとしていて,その3D立体放送をいち早くお届けする,正に革命的な番組なんだそうだ.伝えたいことは十分にわかるとして,問題は3D立体放送とやらを見るためのテレビが世の中に市販されていないということ.つまり,誰もリアルタイムで3D視聴できないのに放送されている,なんとも不思議な番組なのである.この番組をリアルタイムでなくても3Dで視聴し,革命を誰よりも早く体感してやろうじゃないかってのが本エントリーの目的である.

まずは具体的にどんな番組なのかを多少オーバーな表現を用いて紹介するとしよう.
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竹本たるお姉さんが登場し,市場に出回ってない"3D立体付きテレビ"について説明をする.

 
竹本さんが3D眼鏡をかけてカメラ目線で「私には立体的に見えるぞ」と自慢し,「君らのテレビでは2画面に見えるけど心配するな」と注意を促す.

 
「立体に見えるもんなら見て見あがれ」とばかりの2画面放送が数分間続き,「君らには残念なんだけど見えなかったね.ごめんよ.」と言って,やってやったとばかりの笑顔で終了.
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と,こんな感じの12分間となっている.

立体眼鏡をつけて竹本さんが見ていることと普通のテレビで見ると2画面ということから,3D視聴用に合成処理される前の2つの映像が,それぞれ画面の半分の領域を利用して放送されているだけのように思える.これを2つの映像に分割してアスペクト比を正しく直し,1コマづつ処理すれば立体映像になる.きっとこういう原理なんだろう.竹本さんは偏光メガネをかけていたようだけど,私は何の変哲もない普通のPVA液晶で見るので,一番手っ取り早いと思われる赤青アナグリフにしてみることにした.

① 2画面映像を各映像ごとに分割
・マスター

・左映像

・右映像

今回使用しているマスター(録画)映像が740×480pxであるため横方向の解像度低下が気になるが,実際の放送は1920×1080pxなので,通常の非ハイビジョン放送ぐらいの視感レベルは期待できるかと思われる.

② 赤青アナグリフ処理

さすが3D立体放送!位置の微調整は全く不要で素晴らしく立体的に見える.
これを1コマつづ処理して動画出力すると…あぁ革命だ(笑)

ということで,上記手順で立体視聴できるということはわかった.上記のような処理をリアルタイムで行うのが"3D立体付きテレビ"の実態なのだろうけど,1画面に2映像だと世の中のテレビが全部対応してからじゃないと実用化は難しいのではないだろうか?それなら,ほとんど使われていないマルチチャンネル技術を応用して,2チャンネル使って各1映像づつ流したほうが現行のテレビとの互換性が良いように思える.どちらにせよ,わざわざメガネをかけなくちゃいけないのは面倒だ.

投稿者 zeratinman : 2007年12月20日 03:50