2008年09月07日

RQ-S30修復記

音楽はPC上にMP3やM4Aファイルとしてアーカイブするのが一般的になった今日この頃.数前まであれほど使われていたMDですら引退気味なんだから,カセットなんて化石といってもいいのかもしれないけど…私は未だ100本以上のカセットを所有していて,時々それらが恋しくなる.そんな時々発生するカセット病が最近また発病し,大学に行く電車の中でカセットでも聞こうと思ったのは先月29日のこと.何気なくガム電をウォークマンポータブルカセットプレーヤーに入れ,カセットを入れて再生ボタンを押した時にその悲惨な惨劇は発覚した.ウンともスンとも音が出ないのである.いや,正確に言えばカセットが回ってくれないのである.機体は松下電器製パナソニックブランドのRQ-S30で,15年以上前のもの.今まで動いていたいたのが奇跡と言えばそうなんだろうけど,各社ポータブルカセットプレーヤーにヤリ気になってた頃のモデルで,再生可能周波数15~20000Hzとかいう凄いスペックのプレーヤーなのでなんとか使い続けたく,イチかバチか修復を試みることにした.

[8月29日]
まずはとにかく分解してみないといけないわけだけど,意外と頑固な設計が施されていてだいぶ手こずった.

外装パーツはオープン開つまみ部から外さないと物理的に外れない仕組みだし,基板なんて10箇所もハンダを取らないと外れない.気合入りすぎ(笑)

基板が外れると超メカ!メカの塊!

あからさまに出力の弱そうな1個のモータから駆動ベルトや歯車を利用してメカニカルに動力を伝達させ,動作に必要な各部を動かす仕組みらしい.すげぇ良くできてる…あ,故障個所がわかった!

駆動ベルトがダランダラン(笑)

これじゃ,動力が伝達されない=動かない.一体もともとのΦはどれくらいだったのだろうか?角ベルトで太さは0.5~1mmの間だと思うんだけど,もともとの状態がわからないからなぁ…

試しに普通の輪ゴムを装着!

結果:抵抗が大きすぎ?太すぎ?モーターが回らない → 失敗

[8月31日]
通販で買ったゴムベルトが到着したので早速装着!

結果:モータ回った!

続いてカセットを装着して再生テスト.
[PLAY]
結果:ワウフラ炸裂でとても音楽ではない → 失敗

因みにONKYO製の(そこそこまともな)カセットデッキで再生した場合はこんな感じ.
[PLAY]
ONKYOはDOLBYノイズリダクションタイプCやメタルポジションテープに対応した大衆向けのカセットデッキを今でも作ってくれているから,DOLBYノイズリダクションタイプCやメタルポジションテープで音楽ライブラリを構築していた人には有難いですね.

[9月3日]
母親から髪用のチョット変わったゴム(平ベルト系)を貰った.

伸ばした時の感触が純正ベルトと似ているからチョット期待.

そのままでは太すぎるので,0.5mm幅に切断して装着!
[PLAY]
結果:モーターは問題なく回って音楽っぽくはなったけど,ワウフラがまだ気になる → 失敗

[9月7日]
ついにベルト自体を作ってしまうことを決意.

ハンズで厚さ0.5mmのシリコーンゴムシートと円切りカッターを購入.

シリコーンゴムシート全面に両面テープを貼って,カッティングマットにペタリ.

円切りカッターの針が安定するように中央に四角い穴をあけて基準軸の位置を決定.

まずはΦ40mmの0.5×0.5mmを作り,装着.

結果:緩すぎてモータ空回り → 失敗

続いてΦ30mmの0.5×0.5mm
[PLAY]
結果:それっぽくなったけど,やはりワウフラが許容範囲とは言えない → 失敗

続いてΦ25mmの0.5×0.5mm
[PLAY]
結果: だいぶイイ感じではあるが,ワウフラがまだ許容範囲とは言えない → チョット失敗気味

続いてΦ20mmの0.5×0.5mm
[PLAY]
結果:これなら聴けるレベルかな? → チョット成功気味

Φ20mm以下は円切りカッターで切り出せないので,シリコーンゴム編はこれで終了.
とりあえず聴けるレベルにはなった.

投稿者 zeratinman : 2008年09月07日 23:59